108 Blog

If you can dream it, you can do it.

カズトとフクベとの出会い

【第17話】

 

練習をサボった日は、サッカー部を辞めた連中と遊んでいた。

 

万引きをしたり、恐喝もするようになっていた。

 

 

そんなある日の昼休み。

 

トイレに行くと、同級生のカズトが、虐められていた。

 

カズトは小2の時のクラスメイト。

 

虐めてる奴等は隣のクラス。

 

確か名前は、タクヤ

 

カズトは、うずくまって泣いてるようだ。

 

タクヤとヨシダは俺に気づき、カズトから離れた。

 

俺「カズト、大丈夫か!?」

 

カズト「あっ、108君」

 

カズトは黙り込んでしまう。

 

トイレから出ようとする2人を呼び止める。

 

「お前ら、カズトのこと虐めてるの?」

 

タクヤ「虐めてないよ」

 

ヨシダは沈黙。

 

明らかに虐めているのは分かるけど、証拠がない。

 

俺は少し考え。

 

「今度、カズトを泣かしたら、俺がお前ら泣かすからな。覚えとけよ!」

 

タクヤ「うん。わかった」

 

ヨシダ「わ、わかりました!」

 

、、、、、、

 

カズトは怪我はしてないようだ。

 

カズト「久しぶりだね。108君、ありがとう!」

 

俺「そうだな。何かあったら俺に言えよ」

 

俺は虐められた経験から、虐めてる奴が許せない体質になっていた。

 

、、、、、、

 

【3日後の放課後】

 

下駄箱に行くとカズトがいた。

 

カズト「待っていたよ、108君」

 

そして、カズトはレア物の『キン消し』をくれた。

 

 

キン消しは『漫画キン肉マンの消しゴム』

 

キャプテン翼と同じくらい流行ってる漫画で、アニメ化もされている。

 

もちろん、俺も集めている。

 

 

カズト曰く昨日のお礼らしい。

 

あの日以来、タクヤとヨシダに虐められなくなったみたいだ。

 

カズト「今から家に遊びに来ない!?」

 

家とは逆方向で、遠かったけど。

 

暇だったので、カズトの家に行くことにした。

 

カズトの家は古民家だけど、めちゃ広い。

 

部屋の数が10部屋くらいある。

 

カズトの部屋に入ると。

 

キン消しミニ四駆ファミコンソフトが沢山ある。

 

見た事のない数がある。

 

まるで、おもちゃ屋だ。

 

俺は、カズトのコレクションを見せてもらう。

 

見た事のないレア物のキン消がある。

 

ビックリマンシールも綺麗にファイルに収まっている。

 

1本5,000円位するファミコンソフトも30本はある。

 

興奮が止まらない。

 

しばらくするとカズトが俺に言った。

 

「全部は無理だけど、欲しい物があれば、あげるよ。」

 

「えっ、カズトの家って、もしかして金持ちなの?」

 

「わからないけど、ママに言えば、何でも買ってもらえる。」

 

「カズト、うらやましすぎる!」

 

 

俺がオモチャを買ってもらえるのは、1年に2回だけだ。

 

誕生日とクリスマス。

 

しかも、誕生日とクリスマスが近いこともあり、ニコイチだった年もある。

 

 

俺はカズトのお言葉に甘えた。

 

俺「複数あるキン消しってある?」

 

カズト「沢山あるよ!」

 

複数あるキン消しの中から『モンゴルマンキン消し』をもらった。

 

前から欲しかった物だ!

 

他にも、2つ以上持っているキン消しをくれたが。

 

俺にはためらいがあった。

 

その日は、家が遠い事もあり、すぐに帰った。

 

帰宅道中、罪悪感が大きくなった来た。

 

虐められてたカズトを見ていると、昔の俺を見ているようだった。

 

しかし、カズトの家は裕福で、親に何でも買ってもらえる。

 

カズトは、お礼だと言っていたが、本当にそうなのか!?

 

、、、、、、

 

このまま、カズトとつるむと欲に負ける気がした。

 

俺はカズトと遊ぶのを止めた。

 

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サッカー部を辞めた訳じゃない。

 

サッカーは好きだけど、ヒデキとクロタニに会いたくない!

 

他にも行きたくない理由はあるけど、、、

 

俺は、気が向いたら日だけ、部活に参加していた。

 

サボってばかりの俺は、補欠メンバーからも外された。

 

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空き地前を通ると声が聞こえてきた。

 

空き地を覗くと、カズトが見えた。

 

カズトは3人に囲まれている。

 

カズトは財布から金を出して、そいつらに渡してた。

 

3人共、見た事ある奴らだ。

 

俺は空き地に入る。

 

近付く俺に気付いたツッパリ3人組。

 

俺を見た3人は完全にビビっている。

 

コイツ等は、1個下の3年生。

 

1人が逃げようとしたので、足を出して転ばせた。

 

俺は、3人に聞いた。

 

「今まで、カズトから幾らもらったの?」

 

1人が答える。

 

後輩A「たぶん、5万円くらい」

 

俺は、カズトに聞く。

 

「カズト、本当に5万円か?」

 

カズト「わからないけど、10万円以上は渡したと思う」

 

、、、、、、

 

俺は、3人組にカズトに謝るように促す。

 

素直に謝る3人組。

 

俺「お前ら、カズトに10万円返せよ!」

 

後輩B「もう、使っちゃったから返せないです」

 

俺「そんな、言い訳は通用しない!」

 

、、、、、、

 

後輩A「少しづつであれば返せます」

 

俺「カズト、それでいいか?」

 

カズト「、、、うん」

 

俺「もう、カズトに手を出すなよお前等」

 

後輩A「わかりました。すみませんでした!」

 

俺「お前、名前は?」

 

後輩A「フクベです」

 

 

後に知ったことだけど、フクベの家は相当の金持ちらしい。

 

トラを家で飼ってる噂を聞いたのは、俺が中学生になってからだ。

 

 

 

2度目の警察沙汰①

へと続く。

 

 

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