お母さんが泣いた
【第20話】
この頃の俺は、サッカーの練習には行かなくなっていた。
喧嘩も日常茶飯事だった。
同級生のタクヤとヨシダが塾で、虐められたと聞いたら。
隣町の学校にまで乗り込んで、そいつを殴り倒した。
タクヤとヨシダは、カズトを虐めてた奴だ。
気が付いたら、子分が4人になっていた。
周りからは『108軍団』と言われ恐れられていた。
俺の子分は、マナブ、リーマン、タクヤ、ヨシタだ。
4人共、虐めから助けた奴らだ。
だから、軍団と言っても、俺以外喧嘩が弱い笑
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その日の俺は、落ち込んでいた。
家庭訪問だからだ。
家で待っていると先生がやって来た。
俺は、勉強が出来ない。
そもそも、勉強をした事がない。
通知表は、良くて3。
体育だけは、5だった。
学校で、喧嘩する事も多かったから、先生には何度も叱られてる。
椅子に掛けた先生。
何を言われるのだろう。
先生「108くん、悩み事があるみたいです!」
母「そうなんですか!?」
俺「えっ、別にないけど」
悩み事はあるけど、誰にも話したことがない。
もちろん、先生にも話したことはない。
、、、、、、
先生「これを見てください」
テーブルに出されたのは、漢字ドリル。
ページを開く先生。
先生「漢字1文字に1ページを使用しています」
それと。
筒の中から、大きな画用紙を出した。
先生「写生会で108君が描いた絵です」
そこには、画用紙の真ん中に黒い模様が1つあるだけ。
俺には、先生が何のことを言っているのか解らない。
お母さんは、複雑な表情をしている。
母は、俺の目を見て。
「漢字ドリルは、1マスに1文字ずつ書くんだよ」
!?
俺「何で?そんなこと言われた事ないよ」
先生も複雑の表情だをしている。
母「この真ん中の黒い模様は何?」
俺「牛を近くで見て描いたらこうなっただけだよ」
先生曰く、俺は変わっているみたいだ。
喧嘩ばかりしてるし、いつも傷だらけだし。
先生は、本当に心配しているようだった。
先生が帰った後。
母「ごめんね、私のせいで」
、、、、、、
泣いてる母を見て、俺も泣いた。
へと続く。