死の淵を彷徨う7歳の誕生日❶
【第1話】
これは、『108』の物語である。
明日は、僕の7歳の誕生日だ!!
誕生日プレゼントは、だいたい決まっている。
機動戦士ガンダムのプラモデルだ!!
通称『ガンプラ』
テレビアニメが大ヒット!
そして、商品化されたガンプラも空前の大ヒット!!
子供たちが欲しいおもちゃナンバーワン!
明日の誕生日まで待ちきれない僕。
ママ「えっ、明日まで待ちなさい!」
後方からママの声は聞こえていたが、僕はおもちゃ屋に向かった。
おもちゃ屋までは、家から歩いて5分ほど。
シャーザクも良いが、、、
「やっぱりガンダムかな!」
欲しい物の目星を付けた僕は、ワクワクが止まらない。
明日が待ち遠しいなぁ。
早く明日にならないかなぁ。
おもちゃ屋を出た僕は、早くママに伝えたくて走って家に向かった。
その日は、早くママに伝えたいたこともあり。
普段は殆ど通らない林の抜け道を
ウキウキ気分で、走り抜ける。
そして、公道に飛び出すと。
「キィキキキィー」
と大きな音が至近距離で響いた。
音のなる方を見た、次の瞬間。
強い衝撃を受けた僕の体が宙を浮いた。
そして、僕は空を見ていた。
立ち上がろうとしたが、身体に力が入らなく立つことができない。
僕は目線を空から体に移す。
腕や足、あちこちから血が出ている。
とてもだるくて、体がとても熱い。
でも、なぜか痛みはあまり感じられない、、、
「おい、大丈夫か!?」
男の人の声がうっすら聞こえてくるが、返事ができない。
僕は男の人をみながら、何が起こったのかボォーとした頭で考えている。
男の人の後ろに目を移すと『大型トラック」が停まっている。
あれ、このトラックに僕は撥ねられたのか!?
男の人「い、い、今、きゅう、きゅう、救急車を呼ぶからぁ」
僕の周りには、やじ馬が心配そうな顔で僕を見ている。
やじ馬A「○○さんの男の子みたいだけど、大丈夫かなぁ」
やじ馬B「血があんなに沢山でてるしねぇ、、、」
やじ馬達は、僕のことを心配してるようだ。
だんだんと頭が熱くなってきて、意識が遠のいて行く感じだ。
しばらくすると、救急車のサイレン音が遠くから聴こえてくる。
「救急車ってカッコいいよなぁ」とか思っていると。
僕の目の前に救急車が停まった。
救急車から救急隊員が降りてくる。
そして、2人の救急隊員に運ばれて、救急車のベッドに乗せられる。
「内装もいろいろな機械があって、カッコいいなぁ」とか思ってると。
救急隊員「名前はわかる!?」と尋ねてきた。
一瞬、自分の名前がわからくなった、、、
少し間を置き。
僕「○○108です」
救急隊員「108君、家の電話番号はわかるかな?」
僕は、思い出そうとしたが、電話番号が思い出せない。
僕「わ、わ、わかりませ」
そして、意識が遠のきはじめたぁぁ、、、
どこだここは!?
どこもかしこも真っ白だぞ。
360度、周りを見渡すと。
知らないお爺さんが、遠くから手招きしている。
僕のことだよね!?
なんだか、気分はとても良い。
お爺さんの方に向かい、僕は歩き始めた。
しかし、歩いても歩いても、なかなかお爺さんの所に行けない。
どれだけ歩いたのかなぁ!?
と思った瞬間、お爺さんは消えていた。
そして、遠くから声が聴こえてくる。
「お爺さん!?」
あれ、聞き覚えのある声だ。
「108、108、108」
そこには、パパ&ママ、そして、妹の顔があった。
へと続く。