【70話】 シン伯父さんと、おやじは双子。 一卵性双生児ということもあって、遠目から見たら、区別がつかないほど似ている。 ・・・ 彼女がいるってことは、離婚したってこと? ミオとアイコは、まだ伯母さんと、あのアパートで暮らしているのだろうか? 聞…
【69話】 入学式からハードだったけど、大きな怪我もなく無事に一学期を終えた。 恥ずかしい話だけど、入学当初の俺の偏差値は29。 かなりのバカヤローだ。 しかし、一学期の最後には、42までレベルアップしていた! 授業を真面目に受けた結果である。 今回…
【68話】 俺は、意外と字がうまい。 それは、小学時代に書道を習っていたからだ。 さぼりながらも、二段を取得した。 ・・・ 小学時代にもあったが、中学でも書道コンクールがある。 コンクールと言っても、生徒全員が強制参加する行事だ。 中学生になってか…
【67話】 ケンジ&パチオがいるからから、最近は部活に出るのが楽しい! 先輩もちょっかいを出してこないし、顧問の先生も優しい。 俺の基準は、松山先生だから、すごく優しく感じる。 ド素人なので、野球の上達も早い気がする。 ・・・ 放課後の下駄箱にて…
【66話】 部活がある日は、休まずに参加した。 小学生と違い、中学生の部活は、特別の理由がない限り休めないのだ。 あれ以来、カオルは何もしてこない。 野球部の先輩に対しても挨拶をするようになった。 ここ数日は、平穏無事だ。 ・・・ 最近、野球部員で…
【65話】 クワタは、どこか大人の雰囲気を持っている。 彼を纏うオーラというか、どこか哀愁を感じる。 ・・・ 5月のバス遠足。 クワタと隣り合わせの座席だ。 バスが走り出し、15分くらいが経った。 バスガイド「そろそろ、カラオケを歌いましょう!」 バス…
【64話】 俺は浮かれていた。 クラスで一番かわいいタカエちゃんが、俺のことを気になってるって噂を聞いたからだ! 発信源は、アイちゃん。 アイちゃんは、東小女子の情報網。 アイ「でも、108くんには、彼女いるって言っといたよ」 なんて、余計なことを言…
【63話】 昼休み。 女子「〇〇くん、ちょっと、話せる?」 そこには、知らない女子がいた。 これは、告白かな!? 「うん」 女子「ここじゃ、離せないから、場所を変えよう」 ドキドキしながら、彼女の後をついて行く。 ・・・ あれ?もしかして、ヤンキーか…
【62話】 野球部だって最初から言えよ! おやじから、道具一式を買ってもらっちゃったし。 今日が締切最終日なので、部活の変更はできない。 ・・・ カオルは、まだ俺に気づいてない。 ・・・ 「チワース!」 顧問の先生がベンチに腰掛ける。 「集合!」 俺…
【61話】 入学してから2週間、7人のヤンキーとは、まだ会っていない。 授業が終わり次第、ダッシュで帰宅している。 そして、1年生の教室は1階だから、下駄箱に直行できるからだ。 入学式以来、マツシゲからの呼び出しもない。 このまま卒業まで、トラブルが…
【60話】 俺の最初の友達は、クワタ。 席が後ろだったので、自然と仲良くなった。 見た目も性格も素朴。 東小出身だけど、誰ともつるまない。 クワタも友達がいないのかもな。 ・・・ 放課後、クワタが話し掛けてきた。 「今から、俺ん家に遊びに来ない?」 …
【59話】 マツシゲも小太りも、マツダの心配はしてない。 こいつら、仲間がやられたのに気づかいの一つもない。 マツシゲ「次は、シュンイチがやれ!」 小太り「はい!」 マツシゲの顔を見ると、余裕の表情だ。 小太りは、コブシを構えてる。 マツダより、こ…
【58話】 体の傷が癒えないまま、中学生活が始まる。 『入学式当日』 体育館に集まっていた。 中学は、東小と西小の2校が一緒になる。 小学生は3クラスだったけ、中学生は5クラスだ。 そして、俺のクラスは1組。 年頃なのか、男子より女子に目が行く。 かわ…
【57話】 ここは、『ビーバップミドルスクール』の巣窟だった。 中学2年生は、体が大きい! まだ、春休みだから、正確に言うと中学1年生だけど。 そんな、ヤンキーが7人もいるプレハブ小屋。 こんな、迫力のある光景を見るのは、始めてだった。 ・・・ これ…
【56話】 『春休み』 俺は、ミナツと留守番をしていた。 「プルルルル、プルルルル」 電話の着信音が鳴る。 「もしもし、○○です」 「108君いますか?」 「俺だけど、誰?」 「ナカタだよ」 ナカタが俺に電話!? 「どーしたの?」 「これから出てこれる?」 …
【55話】 「ユ、ユウコちゃん。何でここに!?」 ユウコ「大勢の男子が公園に入るところを見ていたら、108君が見えて。そしたら、108君が囲まれて。私、先生を呼びに学校に戻ったの」 ・・・ 俺「そうだったのか、おかげで助かったよ。ありがとう!」 ・・・…
【54話】 孤独だった。 学校に俺の居場所は、なかった。 オジサンやリーマンも今や、チームヒデキだ。 俺って、こんなに嫌われていたっけ!? 考えてもしょうがないので、俺は考えるを止めた。 ・・・ 最近は、映画にはまっている。 きっかけは、再放送で見…
【53話】 俺は、病院にいた。 タックルをもろに受けた俺の膝は脱臼した。 早やくても全治2カ月。 再脱臼を防ぐためには、3カ月は必要だと言われた。 ・・・ そして、俺のサッカー人生は幕を閉じた。 ・・・ 地区予選の結果は、3位だった。 決勝戦は、1対2。 …
【52話】 今日は、風が強く吹いている。 台風が接近中だと、お天気キャスターが言っていた事を思い出した。 ・・・ 当校には、サッカーコートが二面ある。 昼休みは、ゴールコートの争奪戦だ。 ゴールコートは、計4つ。 暗黙のルールで、6年生が三つ使用し…
【51話】 ただいま。 母「おかえり。試合は、どうだった?」 俺「優勝したよ」 母「おまえは、試合に出れたの?」 ・・・ 俺「体調が悪くて、休んでたよ」 ・・・ 俺は、嘘をついてしまった。 そして、キレイなユニフォームを洗濯カゴに入れた。 夏休みも、…
【50話】 初戦、2回戦と辛勝。 俺の出番どころか、選手交代は無い。 そして、準決勝戦。 『スタメン発表』 そろそろ、呼ばれるかも!? 期待感が高まる。 ・・・ そして、松山先生が一言。 「2回戦と同じメンバーで行くぞ!」 チーン。 レギュラー組は、明ら…
【49話】 夏休みの練習は、とてもキツイ。 昼休み以外、水が飲めない。 干乾びる寸前まで、練習を続ける。 毎日、2~3人は、体調を崩している。 その間、日陰で休めて水分補給まで出来る。 そいつ等を見る度に、俺は羨ましいと思ってしまう。 でも、仮病を使…
【48話】 相変わらず、俺の事をジロジロ見ている。 俺には、迷いがない! トモオ君の分もサッカーやるぞー!! 俺は、練習を再開した。 練習をはじめ、数日が経ち、俺が思うこと。 オカベとヒデキは、けた違いに上手い。 ヒデキは、エースストライカー。 オ…
【47話】 『お前の心は腐ってる』ってるって、どういう意味ですか!? 自分の部屋で考えていた。 、、、、、、 松山先生から、サッカーのセンスがあるって言われたこと。 今、思えば、少しだけ嬉しい。 けど、お前の心は腐ってる! この言葉が、ループし続け…
【第46話】 今日も雨が降っている。 梅雨の季節は、蛙が五月蠅いから嫌いだ。 オジサン「108君、夏休みに招待試合があるみたいだけど、参加する?」 オジサンは、6年生になってから、真面目に部活に参加していた。 俺「どこと試合するの?」 オジサン「東京…
【第45話】 俺は、今まで、まともに勉強をした事がない。 親からも強制された事がない。 無気力状態の俺は、教材の問題を解き始める。 が、殆どの答えが解らない。 しかし、この『まなびやの門』は、丁寧な解説文があった。 俺は、解説文を読んで、解答欄を…
【第44話】 教室に緊張感が走った。 ・・・・・・ 岡村「皆さんに残念なお知らせがあります」 固唾を吞む。 残念なお知らせとは!? 一瞬、不吉な予感がしたが。 俺と同じ、長期入院だと思った。 ・・・・・・ 岡村「トモオ君は、深夜の病院で、息を引き取っ…
【第43話】 母「108、落ち着いて聞いて」 俺「嫌な事だよね。どーしたの?」 母「トモオ君が車に撥ねられて。救急車で運ばれたって」 そー言えば、昼休憩の時、救急車のサイレンが聞こえてたな。 俺「それで、トモオ君は、大丈夫なの?」 母「詳しくは、分か…
【第42話】 ヘロヘロになりながら、帰宅すると。 母が玄関まで、出迎えてくれた。 母「おかえりなさい!」 母はニコニコしている。 俺「何か良い事でもあった?」 母「お前がヤル気を出してくれた事が嬉しくって。教材買っちゃった!」 泥だらけの俺は、風呂…
【第41話】 被害は、ガラス窓1枚、掠り傷1名、打撲1名、失禁者1名、鼻血1名だった。 学校の机と椅子は丈夫で、壊れてなかったみたいだ。 、、、、、、 もう一度、アンケートをしたら、恐らくヤスノリが断トツの1位だろう。 ヤスノリは3日程、学校を休んだ。 …